テント&タープ考!

【シームシーリングについて】
テント全般において縫い目の目止め“シームシーリング”は重要な作業!
最近では多くの自立式テントでシームテープによるシームシーリングがされているものが多いが
以前はテントのシームシーリングも自分でやるもので
ダブルウォールの場合はバスタブとフライシートがシームシーリングの対象にる
シングルウォールテントは全体がシームシーリングの対象

 

ツェルトも非自立のシングルウォールということで
全てがシームシーリングの対象にはなるが
要所を抑えて無駄なく
最低限にした方が手間も減らせる!
この3部分は全部やった方が良い

 天頂部(リッジライン)とセンターラインループの付け根周辺
サイドリフター周辺
入口の部分をまとめておくためのヒモの付け根
1のリッジラインは雨が強いとかなり浸水の可能性が高い 特にテンションをかけてるので リッジラインに自然なカーブが生まれる

そして雨で濡れた縫い糸を伝って中央部に集まり 雨漏りがするので センターラインのループの付け根からリッジラインにかけてはしっかりと入念にシームシーリングをした方が良い!

2のサイドリフター周辺も雨漏りしやすい箇所だ

折り返しもなく縫い糸がシンプルに貫通しているからである

万が一漏れても内壁を伝うので気にならない人もいるが

床にどんどん水が溜まっていくことにもなるので シームシーリングしたいところ!

3は想像しにくいところだが 実際に使うとかなり雨漏りが激しい箇所の一つ!なぜかというとツェルト両側にあるAのリッジラインは角度がきついので 縫い糸を通して一気に下まで流れて行こうとする

なにもなければシームシーリングが不要なのだが ヒモがあり表裏にしっかりと貫通して縫われている

だからそこに水の流れが逃げてしまうわけ!

その付け根周辺を水が染み込まないようにしてあげることで中に水が伝うのを防ぐわけです。

 

 
・シームシール剤・シームシーリングする側 塗り方について

 

ウレタン系のシームシーリング剤「Gear Aid シームグリップ」や類似のシームシール剤「アライテント シームコート」などを使用してシームシーリング処理をする

 

メーカーによっては表側からの処理を勧めているところもあるが それは有機溶剤を使っているからかもしれしれない
しかし裏側から塗った方が良い!
それは単に見た目の問題でない
たいていのテントの生地は撥水処理をしてある
いつかは効かなくなってしまう撥水だが シームシーリングを塗るタイミングの多くは買って直ぐだと思うので撥水効果が一番効いているときだ
だとすると しっかりとシームシール剤が乗らなかったり染み込まない
実際にツェルトの表に塗ったところ数年で剥がれてくる
だから裏側に塗りる
時間はかかりるが しっかりと乾燥させれば溶剤も揮発しそれにもう簡単には剥がれない

 

塗るのは「少しずつ 丁寧に」がポイント!
一気にやってしまいたくなるが そうすると大抵綺麗にはできない
だから リッジラインを塗るだけでも二日間かけることもありる
テントをきれいに畳んで 塗りたい部分だけを出して処理をするわけで 面倒に感じるが 一回の時間が少ないので疲れなく集中力も続く!

 

塗るために必要な道具はGear Aid シームグリップを買った場合は付属のハケで少しずつ塗って行くのが良い

裏書の説明書きはあまり鵜呑みにしないこと!

もしくは市販の接着剤を買うと付いている「ヘラ」を使ってもよい

ポイントは幅があって濡れることと角が尖っている部分があること

 

塗る量ですが、厚塗りは不要!
それよりも薄めにしっかりと伸ばしながら塗るのがよい
少しシームシール剤をヘラかハケに付けるかシームシーリング箇所に乗せて少しずつ塗って広げてく
ちょっと足りないと思ったら足す
後からでも足せるがいっぺんにやった方が綺麗に仕上がる
最初はヘラなどの引いた後がありますが、粘性が残っている間にきれいに広がって平らになる

 

・補足説明

 薄め剤は勧めない!十分に塗りやすい

それにこれ以上薄めると乾燥した時にシーム剤が痩せたり、垂れて汚くなる可能性も増える

 

シームテープは数年で劣化が起こり、剥がれたり割れたりする
そのテープを新しく貼ることは非常に難しく できたとしても同じような防水性は確保できない
本体は問題なくても先にシームテープが劣化してしまうことからも メーカーによっては今後シームテープを再びやめるところも増えてくるかもしれない
それにシームテープが最初からしてあることはサービスではあるもののテントの価格にしっかりと含まれていることも忘れてはいけない
それに対してウレタン系のシームシール剤は一度塗れば半永久的に剥がれることはありません(*使用場所・方法や保管状況により異なる)
また多少劣化したり削れることはあるかもしれないが 上塗りもできるので簡単に補修でる
最初の手間はどうしてもかかるが あとあと面倒がなかったり 長旅の途中で劣化したりする不安も少ないのでシームシール剤でのシームシーリングの方が安心できる

 

シルナイロン製のシェルターの場合は「Gear Aid シルネット」を使用しるが シームシーリングが必要のない場合もある
全てに当てはまるわけではないが シリコン含有の生地全体が撥水するため 縫い目を通しても浸水が少ないように思う
だが 生地をまとめておくヒモの付け根付近は漏れが激しい可能性があるので必要に応じて行う
シルネットはシームグリップよりも粘性が高いが 滑りやすいシルナイロンに固着させるためには必要!
丁寧に引き伸ばして塗る
薄め液はいらない!